今回は、Root-013で行っているSEO対策の手法を公開したいと思います。ノウハウを公開することはデメリットにもつながるかもしれませんが、昨年色々と世間を騒がせたキュレーションサイト問題を受け、「御社ではどんなSEO対策やってるの?」というお問合せも良く頂くようになりました。
Root-013で行っているキーワード調査の具体的な方法から、記事公開、運用・検索順位チェックの方法などをご紹介します。検索順位チェックツールは無料ツールと、GRCを紹介しています。
SEO対策、コンテンツの提案、解析、どれも地道な作業です。外注の際は選択肢の一つとして考えて頂けると幸いです。
記事作成時のライティングについては、こちらの記事も参考にして下さい。
企業ブログの効果的な書き方とは?コンテンツSEO超初級編。
キーワード調査から順位監視まで一括でやってくれるおすすめのSEOツールはこちらでご紹介しています。
おすすめのSEOツール
優れた無料SEOツールといえばGoogle Search Consoleもあります。詳しい使い方をまとめた記事はこちら
無料SEOツール Google Search Console 検索アナリティクスの使い方 データ絞り込み方法をまとめました。
目次
今後のSEO対策 検索順位チェックの必要性
2月のgoogleアップデートは記憶に新しいですよね。
https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/02/for-better-japanese-search-quality.html
日本のキュレーション事情を問題視していたGoogleが、WEBサイトの品質を評価するアルゴリズムにアップデートを加えたという内容です。
また、1月はGoogle Chromeのアドレスバーに関する仕様変更がありました。(SSL・HTTPS関連)
非SSLサイトのアドレスバーにアラートが?
2017年は頭から大きな動きがあるGoogleです。
検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。
その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。
引用:ウェブマスター向け公式ブログ
真面目にSEOやってる人にとってはむしろ明るいニュースですよね。SEO対策は地道で、大変な作業だと思います。小手先だけの手法に捕らわれず、「ユーザーにとって有益な情報」を公開していくことが成功への近道だと思います。
これまで以上にコンテンツの質がランキングに影響するようになるでしょう。
1.需要調査(検索キーワードの調査)
2.情報のカテゴライズ(検索意図の分析)
3.コンテンツの公開
4.継続的な調査(検索順位のチェック)
の流れを、実際に「検索順位」の検索候補を取得しながらまとめたいと思います。
需要調査(検索キーワードを抽出するツール)
まずはターゲット層がどんなキーワードで検索するのか、キーワードの選定ですよね。これには、主に検索候補:サジェストを利用しています。
検索候補:サジェスト 取得ツール
http://kouho.jp/ をよく利用させてもらっています。
この手のツールはAPIの問題なのか、一時的に取得できない時もあるので、複数ブックマークしておくと便利です。海外のものですが、http://keywordtool.io/ もシンプルで使いやすいです。
こちらは、他国のデータも取得できるので、海外サイトのSEO対策を講じる場合は有用かもしれません。(自分は日本語しか使いません)
「検索順位」のサジェストは現在277コ。有料版だとこのまま検索ボリュームが取得できるようです。
無料版でも、右上のボタンで【Copy all】でクリップボードへのコピー、【Export all】でCSV保存も可能です。
取得したキーワードの検索ボリュームを調べる
さらに検索ボリュームを調べる場合は、Google Adwordsのキーワードプランナーなどを利用しましょう。
以前は無料でも検索ボリュームを取得できたのですが、現在はきちんと広告を出してクリックされている生きたキャンペーン・アカウントでなければ詳細なデータを取得できなくなってしまいました。
とはいえ、単価を低めにしているので月500円行く事はないです。この機能で500円程度なら全く文句はありません。
1.Adwords キーワードプランナー
2.キーワードをコピペして検索ボリュームを取得
3.CSVダウンロード
※季節ものを扱う場合は「統計情報を月別に分割表示」に忘れずにチェックを入れましょう!
情報のカテゴライズ(ユーザーの検索意図を分析)
検索ボリュームが取得できたら、さあ記事を書くぞ!!というのは早計です。
「検索順位」のサジェストの中にも、ユーザーの様々な検索意図が見て取れるのです。
キーワードをカテゴライズしていくことで、
どんな人にどんな記事が必要とされているか
ある程度あたりを付けることができるでしょう。
実際に得られたサジェストと検索ボリュームの一部はこちら
検索 順位 5400
検索 順位 チェック 1300
検索 順位 チェック ツール 1000
検索 順位 上げる 320
検索 順位 チェック ツール grc 260
検索 順位 を 上げる 260
検索 順位 クリック 率 140
検索 順位 ツール 140
検索 順位 調べる 110
検索 順位 変動 110
・・・
以下略
ここから、明らかにテーマ・ターゲットと合わないワードを除外したり、分類を付けて整理していきます。
そして、表計算ソフトなどのソートを活用しましょう。
結果として、「検索順位 + 〇〇」で調べ物をするユーザーは、
(1)WEBサイトの検索順位を調べたい・調べるツールを探しているユーザー層
(2)サイトの検索順位に変動があった等で、アルゴリズム(ランキングの仕組み)・アップデートの有無を調べたいユーザー層
(3)検索順位を上げる(下げる)ための施策・方法を調べているユーザー層
に分かれていると言えるでしょう。
(1)は、検索順位チェックツールを求めている方
(2)(3)はサイト運営をしていて、SEOの施策を考えている人が多い
といった所でしょうか。
ワードを見ただけで検索意図を測りかねる場合は、実際にそのワードを検索して、結果を見ることも大切です。
~ 例 ~
以前、育児関連のワードをさらっている時、「パパ活」というワードを発見しました。
純粋な心を持つワタクシは、イクメンのサークルかな?と思って実際に検索してみたわけですが・・・
紳士に甘えたい女性が血のつながらない”パパ”を探す活動を指すという事を知って愕然とした記憶があります。
さて、カテゴライズをしたら、実際にターゲットにしたい人がどんなワードで検索しているのかもう一度考えてみましょう。場合によっては担当者さんと打ち合わせすることもあります。潜在的な需要を発見できることもありますね。
カテゴリ毎に記事を書くのが良いのか・・・
カテゴリを目次にして記事の内容を充実させるのか・・・
それらはカテゴライズの結果にもよります。
結果を元に、記事の提案をしていきます。
もちろん、
「こういう見出しを入れ、こういう構造にしましょう」
「こういうタイトルにしましょう」
など、もっと具体的な形で提案します。
コンテンツの公開
キーワードの選定や記事の方向性が決まったら、自社サービスのアピールと合わせて記事の作成をお願いします。
もちろんこちらで記事を用意することもありますが、一番大切にしてほしいのは「自社のアピール」なので、外注などはせずに、社内で書いてもらうようにしています。
記事を書くのがライターさんとは限りません。SEOの知識が無い場合も多いです。頂いた原稿をチェックし、SEOや読みやすさに問題が無いかを確認し、リライトなども行います。担当者へのアドバイスや、依頼されればSEO・ライティングの教育も行っております。
こちらの記事も参考にして下さい
企業ブログの効果的な書き方とは?コンテンツSEO超初級編。
継続的な調査(検索順位をチェックするツール GRC)
公開した記事がすぐに上位にくるとは限りません。実際に記事のテーマにしたキーワードで、何位に表示されているのか継続的にチェックしていくことが必要ですね。
もし上位化できていないのなら、キーワードの選定や、コンテンツの内容を見直してみることも必要です。切り口を変え、新しい記事を書くことも考えなくてはいけません。
そのためにも、検索順位チェックツールは必須といえるでしょう。無料ツールや、googleのサーチコンソールもありますが、横断的に見ていくにはやはり専用ツールがあると便利です。
無料の検索順位チェックツール
無料のツールもたくさんありますが、以下が代表的なサイトではないでしょうか。
SEOチェキ
http://seocheki.net/?m=rank
ohotuku.jp 順位チェック 300
http://ohotuku.jp/rank_checker/
SEOチェキはドメインが一致すれば計測してくれるので、TOPページのURLだけ入力すればいいのに対し、ohotuku.jpは記事のURLを入力しないと正しく計測できません。
どちらのサイトも、検索順位以外に優れたツールを提供していますので、チェックしておいて損はありませんよ!
検索順位チェックツール GRC
無料の検索順位チェックツールでは、解析サイト、記事が多くなるともう対応できません。一回一回サイトURLとキーワードコピペなんてやっていられませんからね。
それで、色々と検討し、導入したのがGRCでした。
画像には入っていませんが、もちろんYahooも計測してくれます(あとBingも)
ワードを登録してしまえば自動でチェックしてくれますし、スクロールと項目にマウスを合わせる動作だけで、検索順位の推移を確認できます。
管理サイトが多くなってきた
解析するワードが多くなってきた
日常的に推移を計測しておきたい
レポートを印刷してクライアントに提出したい
という方々におすすめです。操作も感覚的なので、それほどマニュアルにたよる必要もないかもしれません。
例えば、Ctrl+クリックで複数ワードを選択し、そのワードのレポートを印刷したりできます。
GRCは無料バージョンから始められるので、一度使ってみることをおすすめします。
無料だと、3URL・50語までといった制限(変わっていなければ)がありますので、それ以上の機能は有料のライセンスを購入することになります。
実際に使ってみるとわかると思います。なるべく安く・無料で済まそうとする自分が、迷うことなく購入を決意したソフトです。無料で使える範囲で収まるならこれ以上の無料検索順位チェックツールはないと思います。
有料ツールの中でも最安の部類ではないでしょうか。これ以上のコスパはなかなかありません。
コース | 料金/年 | URL数 | 検索語数 |
---|---|---|---|
ベーシック | 4,860円/年 | 5URL | ~500語 |
スタンダード | 9,720円/年 | 50URL | ~5,000語 |
エキスパート | 14,580円/年 | 500URL | ~50,000語 |
プロ | 19,440円/年 | 5,000URL | ~500,000語 |
アルティメット | 24,300円/年 | 制限なし | 制限なし |
狙ったワードで上位化すると、手ごたえを感じます!
上位化できなかった場合は、なぜダメだったのか、コンテンツを見直す必要がありますね。継続的に調査・提案してくことが大切です。
今後の検索順位
今後の検索順位・ランキングについては引き続き注目していかなくてはなりません。そのうち「モバイル ファースト インデックス」が導入されるためです。
モバイル ファースト インデックスに向けて
https://webmaster-ja.googleblog.com/2016/11/mobile-first-indexing.html
現在PC検索結果をもとにモバイルの検索順位が決定されていますが、これがモバイルファーストに変更となります。つまり、モバイル向けページの評価がPCに影響するようになるということですね。
GRCはGRCとGRCモバイルがあるのですが、今後の展開がどうなるのか気になるところではありますね。
個人的にはどちらか一つでよくなるのでは?と考えています。
2018.6.1追記
MFI(モバイルファーストインデックス)やスピードアップデートでPC・モバイルの検索順ににどのような影響があるか。GRCとGRCモバイルのどちらを選ぶべきか。考察してこちらの記事にまとめております。
GRCからGRCモバイルへのデータ移行・乗り換え・同期の方法や注意点についても具体例とともにご紹介しています。
必須SEOツール GRCとGRCモバイルの違いやデータ移行方法の注意点など MFI・スピードアップデートでどうなる?
[seo]
①需要調査(検索キーワードを抽出するツール)と②「情報のカテゴライズ(ユーザーの検索意図を分析)」についてお尋ねしたことがあります。
①について
キーワードの候補としてロングテールワードがよく言われると思うのですが、3語や4語といった更なるロングテールワードを探すには、何か手段はあるのでしょうか?
ここまでくると、自分で考えてみるのがいいのでしょうか?
ネットでも賛否両論ですが、超ロングテールワードは、ボリュームは少ないけど検索順位は稼げるのではないのかと思いました。また、ロングテールワードはそれより少ないワードについてもカバーできるというのもいいのではと思いました。
②今更なんですが、キーワードを洗い出して、キーワードの整理をしてみようと思いました。
ここで紹介されていたGRCを使ってみて、便利だと思い、その検索ワードとしても使用してみたいと思うので。
そのとき、カテゴライズする際のコツみたいなものはあるのでしょうか?
分類がどうもうまくできないのですよね。
分類名や分類の仕方なんて、人によって違うような気がします。
以上、よろしくお願いいたします。
>nakasさん
>超ロングテールワードは、ボリュームは少ないけど検索順位は稼げる
これは間違いないと思います。
ただ、
1.そもそものボリュームが少ないことが多い
2.CVにはつながりにくい
というケースが多いため、実際のサービス記事への紹介や内部リンクと考えると良いかもしれません。
サジェスト取得ツールを利用することも多いです。「keywordtool.io 」など
また、「共起語 ツール」などで検索しても色々でてきますが、無料だとサジェストツール未満なことも多いですね。(良いの見つけたら教えてください)
>カテゴライズする際のコツ
これについては難しい問題ですよね。
・性別
・年齢
などのユーザー層によっても大きく変わってくると思います。
しかし、念頭においているのは「潜在ユーザー」か「顕在ユーザー」かという所でしょうか。
◆顕在ユーザー
ある程度情報を収集し、「サービス名 + 価格 / 口コミ / 比較」といったワードで検索
◆潜在ユーザー
漠然としたワードで検索するため、「症状 / 悩み + 改善」などで検索することが多いでしょう。(具体的なサービス名は使わない)
サジェストなら、同じ層が検索しそうな内容の組み合わせをチョイスして見出しにする・・・といったこともよくやります。
まずは同年代(や若い頃の自分自身)が検索しそうなワードを想像してみるのも良いと思います。